ステファン曲線とは?虫歯ができる仕組みと間食の関係を解説

「食後は歯をみがきましょう」といわれますが、食べた後のお口の中では、どのような変化が起きているのでしょうか。

その変化をわかりやすく表したグラフが「ステファン曲線(Stephan curve)」です。

ステファン曲線を見ると、食事やおやつの後にお口の中が酸性に傾き、その後、唾液の働きによって元の状態へ戻っていく様子がわかります。また、甘い飲み物やお菓子を長時間ダラダラと口にすると、虫歯のリスクが高まりやすい理由も理解できます。

今回は、ステファン曲線の見方、脱灰と再石灰化の仕組み、間食の取り方、フッ化物配合歯磨剤を使ったケアについて、曽我歯科医院三軒茶屋が解説します。

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ステファン曲線とは?

ステファン曲線とは、飲食後のお口の中のpHが、時間とともにどのように変化するかを表したグラフです。

pHは酸性・中性・アルカリ性の程度を示す数値です。食事やおやつを口にすると、お口の中の細菌が糖質を利用して酸を作るため、歯の表面付近のpHが低下します。

その後、唾液の働きによって酸が中和されると、pHは徐々に元の状態へ戻っていきます。

飲食後のお口のpH変化を示すステファン曲線

食べるとお口の中が酸性に傾きます

食べ物や飲み物に含まれる糖質をお口の中の細菌が利用すると、酸が作られます。その影響で歯の表面付近のpHが下がり、酸性に傾きます。

一般的に、エナメル質はpH5.5前後を下回ると、カルシウムやリンなどのミネラルが溶け出しやすくなるとされています。この現象が「脱灰(だっかい)」です。

ただし、pH5.5はあくまで目安です。唾液の量や性質、歯の状態、フッ化物の利用状況などによって、虫歯のなりやすさには個人差があります。

唾液の働きによって再石灰化が起こります

飲食によって酸性に傾いたお口の中は、唾液の働きによって徐々に中性に近い状態へ戻っていきます。

唾液には、酸を中和する働きに加え、カルシウムやリンなどを歯の表面へ補う働きがあります。脱灰によって失われたミネラルが再び歯へ取り込まれる現象を「再石灰化」といいます。

私たちの歯の表面では、飲食のたびに「脱灰」と「再石灰化」が繰り返されています。このバランスが脱灰側へ大きく傾いた状態が続くと、虫歯が進行しやすくなります。

虫歯予防では「食べる量」だけでなく「回数」も重要です

虫歯予防では、甘いものをどのくらい食べるかだけでなく、糖質を含む飲食物を口にする回数や時間も重要です。

食べるたびにお口の中のpHが下がるため、間食の回数が多いと、歯が酸の影響を受ける時間も長くなります。

特に注意したいのは、次のような習慣です。

  • 砂糖を含む飲み物を少しずつ長時間飲む
  • 飴やグミなどを長時間口にしている
  • 仕事や勉強をしながら何度も間食する
  • スポーツドリンクや清涼飲料水を頻繁に飲む
  • 就寝前に甘いものを口にする

同じ量のお菓子や飲み物でも、一日中何度も口にするより、食事やおやつの時間を決める方が、再石灰化のための時間を確保しやすくなります。

ダラダラ食べるとステファン曲線はどうなる?

一度の食事であれば、低下したpHは唾液の働きによって徐々に元へ戻ります。

しかし、pHが十分に戻る前にお菓子や甘い飲み物を口にすると、再びpHが低下します。飲食を何度も繰り返すと、歯が酸性の環境にさらされる時間が長くなります。

「甘いものをたくさん食べたか」だけでなく、「何回に分けて食べたか」「どのくらい長い時間をかけて口にしたか」も、虫歯予防を考えるうえで大切です。

食後はすぐ歯をみがいてもよい?

特別な指示を受けていない場合は、基本的に食後の歯みがきをむやみに避ける必要はありません。

食後の歯みがきには、歯の表面や歯と歯の間に残った食べ物やプラークを取り除き、フッ化物を歯へ届ける目的があります。

ただし、酸性の飲み物を頻繁に飲む方、知覚過敏が強い方、酸による歯の傷みが疑われる方などは、ケア方法を個別に考える必要があります。気になる場合は歯科医院でご相談ください。

フッ化物配合歯磨剤を活用しましょう

フッ化物配合歯磨剤には、歯からミネラルが溶け出すことを抑え、再石灰化を促す働きがあります。

虫歯予防のためには、年齢に合った濃度と量のフッ化物配合歯磨剤を使い、就寝前を含めて毎日歯をみがくことが大切です。

歯みがき後は歯磨剤を軽く吐き出し、うがいをする場合は少量の水で1回程度にすると、フッ化物をお口の中に残しやすくなります。

フッ化物配合歯磨剤を使った毎日の歯みがき

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虫歯を防ぐために意識したい習慣

  • 食事とおやつの時間をできるだけ決める
  • 甘い飲み物を長時間少しずつ飲まない
  • 間食の合間は水や無糖のお茶を選ぶ
  • フッ化物配合歯磨剤を毎日使用する
  • 歯と歯の間にはデンタルフロスや歯間ブラシを使う
  • 就寝前の歯みがきを丁寧に行う
  • 定期的に歯科検診を受ける

虫歯は、歯みがきだけで完全に防げるものではありません。食生活、フッ化物の利用、唾液の状態、歯並び、歯の形など、複数の要因が関係します。

定期検診で虫歯リスクを確認しましょう

初期の虫歯は、自覚症状がほとんどないことがあります。また、歯と歯の間や奥歯の溝など、ご自身では確認しにくい場所に虫歯ができることもあります。

歯科検診では、虫歯の有無だけでなく、磨き残し、歯石、歯ぐき、詰め物や被せ物の状態などを確認します。必要に応じてレントゲン検査も行います。

曽我歯科医院三軒茶屋の歯科検診

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よくある質問

甘いものを食べなければ虫歯になりませんか?

虫歯の原因となる細菌は、砂糖だけでなく、さまざまな糖質を利用して酸を作ります。また、歯の形、歯並び、唾液、セルフケアなども関係するため、甘いものを控えるだけで完全に防げるわけではありません。

甘い飲み物も間食に含まれますか?

砂糖を含むジュース、炭酸飲料、スポーツドリンク、加糖コーヒーなども、お口のpHを低下させる原因になります。少量ずつ長時間飲み続ける習慣には注意が必要です。

唾液が少ないと虫歯になりやすいですか?

唾液には酸を中和し、歯の再石灰化を助ける働きがあります。お口の乾燥が続く場合は、虫歯のリスクが高まることがあるため、歯科医院でご相談ください。

間食は一切しない方がよいですか?

間食を完全にやめる必要はありません。時間を決め、ダラダラ食べないことが大切です。食事内容や年齢、健康状態によって適切な食べ方は異なります。

まとめ

ステファン曲線は、飲食後にお口の中が酸性へ傾き、その後、唾液の働きによって元の状態へ戻る様子を表したグラフです。

虫歯予防では、甘いものの量だけでなく、飲食の回数や時間にも注意する必要があります。甘い飲み物やお菓子を長時間ダラダラ口にすると、歯が酸の影響を受ける時間が長くなります。

食事やおやつの時間を整え、フッ化物配合歯磨剤による歯みがき、デンタルフロス、定期的な歯科検診を組み合わせることが大切です。

曽我歯科医院三軒茶屋では、お口の状態に合わせた虫歯治療、歯科検診、ブラッシング指導を行っています。

三軒茶屋・上馬・野沢周辺で、虫歯や歯みがき、食生活について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

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この記事の執筆・監修

曽我歯科医院三軒茶屋
院長 曽我 達彦(そが たつひこ)

日本大学松戸歯学部卒業。
東京歯科大学千葉病院にて歯科臨床研修医修了後、大手医療法人グループに勤務(分院長・理事を歴任)。
2006年に「曽我歯科医院三軒茶屋」を開院。
予防歯科・一般歯科・審美歯科・インプラント治療を4軸に、地域に根ざした包括的診療を行っている。

所属学会:
・日本口腔インプラント学会
・日本顎咬合学会

曽我達彦 院長

曽我歯科医院三軒茶屋