「歯を失ったのでインプラントを考えているけれど、自分でも治療を受けられるのだろうか?」

患者様からよくいただくご質問のひとつです。

結論から申し上げると、インプラント治療が全くできない方はそれほど多くありません。しかし、お口の状態や全身の健康状態によっては、治療前に十分な検査や準備が必要になる場合があります。

今回は、インプラント治療が難しいケースや注意が必要なケースについて解説します。

インプラントができないといわれたら


インプラントが難しいケースとは?

1. 顎の骨が少ない場合

インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込む治療です。

そのため、骨の量や厚みが不足していると、そのままでは治療が難しいことがあります。

特に、

  • 歯を失ってから長期間放置している
  • 長年入れ歯を使用している
  • 重度の歯周病があった

といった場合には、骨が痩せていることがあります。

しかし現在では、

  • 骨造成(GBR)
  • ソケットプリザベーション
  • サイナスリフト
  • ソケットリフト
  • ショートインプラント

などの治療法により、以前であればインプラントが難しかった症例でも治療できる可能性があります。

当院では歯科用CTによる精密検査を行い、骨の量や質、神経や上顎洞との位置関係を三次元的に診断しています。

さらに、必要に応じてコンピューターガイド(サージカルガイド)を使用し、事前のシミュレーションに基づいて埋入位置や角度を決定することで、安全性と正確性の向上に努めています。

また、サイナスリフトやショートインプラントにも対応しており、「骨が足りないためインプラントは難しい」と診断された方でも治療可能な場合があります。


2. 重度の歯周病がある場合

歯周病が進行している状態では、インプラント周囲炎を発症するリスクが高くなります。

そのため、まずは歯周病治療を行い、

  • 歯ぐきの炎症を改善する
  • プラークコントロールを身につける
  • 定期的なメンテナンスを継続する

ことが重要です。

歯周病があるからといって必ずインプラントができないわけではありませんが、長期的な成功のためには歯周病のコントロールが欠かせません。


3. 糖尿病のコントロールが不良な場合

糖尿病は傷の治りを遅くしたり、感染のリスクを高めたりすることがあります。

特に血糖値のコントロールが不十分な場合には注意が必要です。

一方で、適切に治療されている糖尿病患者様であれば、インプラント治療が可能なケースは少なくありません。

必要に応じて主治医と連携しながら、安全に治療を進めていきます。


4. 喫煙習慣がある場合

喫煙はインプラント治療の成功率に影響を与えることが知られています。

タバコに含まれる成分は血流を悪くし、

  • インプラントと骨の結合を妨げる
  • 傷の治りを遅らせる
  • インプラント周囲炎のリスクを高める

といった影響があります。

禁煙が難しい場合でも治療できることはありますが、成功率や長期安定性を考えると禁煙が望ましいといえます。


5. 骨粗しょう症の治療薬などを使用している場合

骨粗しょう症の治療薬の一部や、がん治療に使用される薬剤の中には、顎の骨に影響を及ぼすものがあります。

使用している薬の種類や投与期間によって対応が異なるため、服用中のお薬は必ずお知らせください。

必要に応じて主治医と情報共有を行いながら治療の可否を判断します。


年齢だけでインプラントはできなくなる?

「もう高齢だからインプラントは無理でしょうか?」

というご相談を受けることがあります。

しかし実際には、年齢そのものよりも、

  • 全身の健康状態
  • 骨の状態
  • お口の清掃状態
  • 定期的なメンテナンスが可能か

といった要素の方が重要です。

70代や80代でインプラント治療を受けられる方も珍しくありません。


当院のインプラント治療について

当院では歯科用CTによる精密検査を行い、患者様ごとの骨の状態や解剖学的な条件を詳しく診断しています。

また、日本口腔インプラント学会のガイドラインに基づき、安全性を重視した治療計画を立案しています。

必要に応じてコンピューターガイド(サージカルガイド)を使用し、より正確なインプラント埋入を目指しています。

さらに、サイナスリフトやショートインプラントなどにも対応しており、他院で「骨が足りないため難しい」と言われた方でも治療可能な場合があります。

※実際の適応はCT検査および全身状態の評価によって判断いたします。


まとめ

インプラント治療が難しいケースはありますが、現在ではさまざまな治療技術の進歩により、多くの症例で対応が可能になっています。

  • 骨が少ない
  • 歯周病がある
  • 糖尿病がある
  • 喫煙習慣がある
  • 骨粗しょう症の薬を使用している

このような場合でも、状態によってはインプラント治療を受けられる可能性があります。

「自分はインプラントができるのだろうか」とお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。

CT検査をもとに、お一人おひとりに適した治療方法をご提案いたします。

この記事の執筆・監修

曽我歯科医院三軒茶屋
院長 曽我 達彦(そが たつひこ)

日本大学松戸歯学部卒業。
東京歯科大学千葉病院にて歯科臨床研修医修了後、大手医療法人グループに勤務(分院長・理事を歴任)。
2006年に「曽我歯科医院三軒茶屋」を開院。
予防歯科・一般歯科・審美歯科・インプラント治療を4軸に、地域に根ざした包括的診療を行っている。

所属学会:
・日本口腔インプラント学会
・日本顎咬合学会

曽我達彦 院長

曽我歯科医院三軒茶屋