以前は気にならなかったのに、インプラントと隣の歯の間に繊維質の食べ物が詰まる。そんな変化は、磨き方だけが原因とは限りません。歯同士の接触や、歯ぐきの形、噛み合わせを確認する必要があります。

手鏡で奥歯の間を確認する男性患者

天然歯とインプラントは動き方が異なります

天然歯は歯根膜を介して支えられ、長い期間には位置や接触が少しずつ変化することがあります。骨と結合したインプラントは同じようには動かないため、隣の歯との接触が弱くなる場合があります。治療直後に隙間がなかったから、その後も変わらないとは限りません。

歯ぐきや人工歯の形も関係します

歯と歯の間の歯ぐきが下がると、根元側の空間が広がることがあります。また、人工歯の形や噛み合う相手の歯、ネジの緩みなどが関わる場合もあります。単に「穴を埋めればよい」とは限らず、清掃しやすさと食べ物の流れを両方考えます。

大きな歯間ブラシを無理に入れないでください

適切なサイズの歯間ブラシやフロスで、無理なく取り除きます。強く押し込む、爪楊枝で繰り返し突くなどは歯ぐきを傷つける原因になります。取りにくい物があるときは、無理に器具を差し込まず相談してください。

清掃用具の基本はインプラントと歯間ブラシで紹介しています。ただし、清掃方法の改善だけで接触の問題が解決するとは限りません。

歯科医院では何を確認するのでしょうか

  • 隣の歯との接触の強さと、人工歯の安定
  • 歯ぐきの炎症・出血と骨の状態
  • 隣の天然歯の虫歯や歯周病
  • 噛み合わせと人工歯の形

原因に応じて清掃方法の見直し、噛み合わせの調整、人工歯の修理・再製作などを検討します。修理後も天然歯の位置が変化する可能性があるため、定期的な確認が必要です。

毎食詰まる・出血する場合は早めの相談を

食べ物が残り続けると、周囲の炎症や隣の歯の虫歯につながることがあります。腫れやにおいを伴う場合は、インプラント周囲炎の初期症状もご確認ください。

曽我歯科医院三軒茶屋では、メンテナンスの際に詰まり方の変化も伺います。どの食べ物が、いつから詰まるようになったかをお伝えください。

参考:インプラント補綴物と隣在天然歯の接触喪失に関する研究レビュー

この記事の執筆・監修

曽我歯科医院三軒茶屋
院長 曽我 達彦(そが たつひこ)

日本大学松戸歯学部卒業。
東京歯科大学千葉病院にて歯科臨床研修医修了後、大手医療法人グループに勤務(分院長・理事を歴任)。
2006年に「曽我歯科医院三軒茶屋」を開院。
予防歯科・一般歯科・審美歯科・インプラント治療を4軸に、地域に根ざした包括的診療を行っている。

所属学会:
・日本口腔インプラント学会
・日本顎咬合学会

曽我達彦 院長

曽我歯科医院三軒茶屋